花の名前の由来-2回目 前回に続き残り4種類、花の名前がどのようにして付けられたか掲載します。学名の付け方は国際藻類・菌類・植物命名規約という基準に沿って付けられ、花の別名や和名は生活や神話、地方色、見つけた場所、発見者名、発見者が国際植物命名と別名を同時に付ける、などで付けられます。
セイヨウフウチョウソウ
フウチョウソウ科 熱帯アメリカ原産 別名 フウチョウソウ(風蝶草)、スイチョウカ(酔蝶花)、ハリフウチョウソウ(針風蝶草)、スパイダーフラワー、クレオーメ、クレオメ 雄しべが長く飛び出している所から英名スパイダーフラワーとも言われます。
左右に伸びている緑の細い葉っぱが特徴です。学名をクレオメ・スピノサ クレオメはギリシャ語のKleio(閉じる)からきているそうです。咲いた翌日くらいには閉じてしまうので語源になったと思われます。
スピノサはラテン語のspiny(尖った)から付けられたとあります。当時(中世以前)ギリシャ語とラテン語を合わせて名前を付けるのは普通に行われていたようです。
さてセイヨウフウチョウソウの名前ですがフウチョウソウは漢字で風蝶草と書きます。風に舞う蝶の様な草、ちなみに古来花の総称を草といいましたが、音読みの「ソウ」ではなく訓読みの「クサ」だと花撮りとしてはすこし抵抗感があります。 ;^^)
「風に舞う」は何処を指すのか分かりませんでした。まとめると西洋から渡来した大きな花が開くと風に蝶が舞うような花姿に見える、でしょうか。
秘密のひととき あなたの容姿に酔う
マリーゴールド
キク科 中米(メキシコが中心)原産 和名 センジュギク、クジャクソウ 学名はTagetes、タゲテスです。タゲテスの由来はイタリア半島のエトルリアに占術を伝授した神話の人物ターゲスに因むとあります。マリーゴールドのいくつかある逸話の一つを紹介します。ただし著作権があるかもしれないのでおおまかに。
イタリア半島のエトルリア神話で、太陽神アポローンに恋をした女性がいました。太陽神アポローンにはすでに恋人がいました。しかしその恋人は自分の父親によって生き埋めにされてしまいました。恋をした女性は深く悔い太陽神アポローンを9日間見続けたら黄色い花になったという逸話です。
その他に聖母マリア様の黄金の花の逸話もあます。マリーゴールドの花言葉は紹介した逸話と深い関わりがあります。
嫉妬 絶望 悲しみ 可憐な愛情 変わらぬ愛 勇者
モミジアオイ
アオイ科 北アメリカ原産 別名 コウショッキ 学名はHibiscus coccineus、ヒビスカス・コッキネウス、Hibiscusは英語読みでハイビスカスです。
ラテン語の主格形の最後は「ウス」ですからこれはラテン語が語源です。ちなみに「ウス」は男性形となるらしいです。女性形はcoccinea、コッキネア、人の形をした花弁のサルビア・コッキネアと色違いのサルビア・コーラルピンクを最後に掲載します。
脱線してすみません。学名のHibiscus coccineusの由来は、Hibiscusはタチアオイを表す古代ギリシャ語「ibiskos」に由来します。coccineusは「緋色の赤」とあります。
和名のモミジアオイは「紅葉葵」と書き、花弁の形がモミジの葉に似ているアオイとなります。コウショッキは漢字で「紅蜀葵」中国の漢名からきているそうです。別名はこれくらいで止めます。
温和 穏やかさ 優しさ 努力の賜物
サルビア・コーラルピンク
シソ科 南北アメリカ原産 学名はSalviaでサルビア、読み方がそのまま流通しています。サルビアはラテン語のsalvus、「健康な、安全な」が語源で薬用に使われた植物のようです。
花色はラテン語でcoccineaは「赤色の、深紅の」という意味で使わます。今回掲載したサルビア・コーラルピンクはコーラル「珊瑚」でピンクの珊瑚色となるようです。
ちなみに、サルビアは花色や形によってサルビア・何々と呼ばれるのでサルビア・コーラルピンクの別名はこれといってありません。
サルビアは約900種類あるそうです。あくまで参考として売られているサルビアのカタログの種類を数えてみました。インターネット上では13種類ありました。サルビアはホームセンターでも見ますから人気の花ですね。
「尊敬」「知恵」「良い家庭」「家族愛」 (※全種に適用)
ミヤマアカネ
トンボ科 視線を感じます。こっちを見ているのかな?
花の名前の由来-2回目(後編)を最後まで読んで頂きありがとうございました。またお会いしましょう。